１１月から講習が始まりました。
受講生は、２０代の人はあまり居らず同年代や少し上の人達が多くいました。
２０年後の高校生活みたいな感じで、不思議でもあり懐かしい感覚もありました。
ひとクラス３０人弱でしたが、みんな比較的仲良かったと思います。
男性は僕を含め４人しかいませんでした。

昼休みには一緒にご飯を食べに行ったりバカ話をしたり、
お菓子を分け合ったり講習が終わってからは遊びに行ったりと
厳しくも充実した日々でした。

毎月、１０万円の職業訓練給付金がもらえましたが受講期間は上限はあるものの
バイトもしてよかったので講習終わりでバイトに行ったりと完全に学生生活でした。
また、求職者支援資金融資で３０万円も借りる事が出来た為、金銭的には
苦労する事無く過ごす事が出来ました。

そんなある日、事件が起こります。

最終日の午後でしたがなんとか申し込みをする事が出来ました。
申し込んだのは、介護資格が習得できる講義でした。
この時点では、介護の仕事に特に興味があった訳では無かったのですが
同じ行くなら国家資格を取得できた方が良いと思った事と
すぐに介護の仕事をしなくても、いずれ何かの役に立つかもと
いうくらいの考えでした。
講義は全て無料で、しかも受講期間は毎月１０万円の現金給付もあるとの事でした。
ですが、受講条件を聞いて唖然としました。

受講期間は約６か月なのですが、一日でも欠席、遅刻すればその時点で退学。
また、正当な理由があって遅刻でも１限につき原稿用紙６枚分の提出をするという
かなり厳しい物でした。
何があろうと有無を言わさず強制皆勤を約束させられるもので、
かなりのプレッシャーを課せられ、８か月無職だった僕は
「本当に自分に出来るのだろうか」とかなり不安になりました。

こんにちは、今現在の僕です。
昨日は、奈良の王子に行ってきました。

夕暮れ時で、綺麗だったので写メしました。
王子は僕が２１歳の頃、ほんの数週間でしたが派遣で行っていた
工場があります。
それまで、大きな苦労もなく生きていた僕が衝撃を受けた場所でした。

仕事は、高温で燃えたぎっている見たこともないような大きなローラーの
中にシャベルで原材料を入れていくという物でした。
拭いても拭いても汗が噴き出てきます。
作業服は、１日で洗濯機が真っ黒になる程汚れました。
工場内は広大で迷路のようになっており、受け持ち部署によっては、
死亡事故も起こっているとの事でした。
また、天井のパイプからは少量の液体が漏れ出しており、
その液体が体に付いた時には、ピリピリとした痛みがあり
怖かった事を覚えています。

僕は数年に一度、ここにやって来ます。
人生で辛い事があったり、これから何かを頑張っていこうと思った時は
ここに来て遠いあの頃の事を思い出します。
辛かった事やしんどかった事、色々な経験が今の僕を作ってくれています。
借金もそうですが、一度失敗しないと見えなかった景色もあると思います。
失った時間は帰って来ませんが、もう同じ過ちを辿らないように
毎日を丁寧に過ごしていきたいと思います。